講談って面白い~神田伯山独演会に行ってきた

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 「神田伯山」さんってご存じですか?落語の高座みたいな舞台で、机を叩きながら物語を語る講談師です。

すぐに売れっ子に

 この方を知ったのは、まだ「神田松之丞」時代です。たまたま、講談という伝統芸能を継承する若手としてテレビで紹介されていたのですが、観たとき勝手に「天才だ!」と思いました。テレビ番組の中でも「講談界の浮雲児」と紹介されていました。

 まあ、講談師という以上、活舌よく、しゃべりはお上手です。とはいえ、お笑いタレントでもしゃべりが上手な人、あまり上手ではない人いますから、この方のトークも抜群です。あっという間に売れっ子になって、バラエティ番組でよく見かけるようになりました。

 講談師としては2020年に真打に昇進して「松之丞」から「伯山」に、名前が変わっていました。

講談とは

 講談と落語は同じような舞台で行われます。違いは机(釈台)をハリセンみたいなものを叩きながら、テンポよく物語を話します。

 講談協会のホームページには、落語との違いを以下のように掲載しています。

「落語」が会話によって成り立つ芸であるのに対し、「講談」は話を読む芸という言い方ができます。

講談とは? | 講談協会|公式ホームページ (kodankyokai.jp)

 確かに、落語は声色を変えながら、落語家が役を演じていますよね。でも、講談は場面設定や言葉の解説を交えながら、そして声色を変えて役を演じながら話を進めていきます。講談を聴いていると、伝統文化の詳細がわかりやすく解説してくれるため、物語がよくわかります。そして、勉強にもなります。

チケットは即日完売

 テレビで笑わせてもらうことは幾度とありましたが、この方の本業である講談を、生で聞いてみたいと考えていましたが、地方の一都市ではなかなか機会がありませんでした。

 それがこの度、博多座で1公演のみ、独演会が開催されることになりました。

 前売りは9月30日でしたが、博多座会員向けに9月26日のみ先行販売がありました。人気の講談師とはいえ、伝統芸能ですし、簡単にチケットが取れるつもりでした。昼頃、予約の電話を入れたところ、A席でもかなり後方の端っこでした(涙)。私の博多座会員として最悪の席です。

 しかし、あとから調べてみると、この方は独演会を開催すると、どこでも全席即日完売なんだそうです。のんきな対応をして、チケットが取れただけでも良かったみたいです。

 当日は、いつものとおり、開演20分前くらいに博多座に到着しました。中に入ってみると、何となくいつもと違う雰囲気。いつもなら公演関連のグッズが販売されている場所に、何も置かれていない机が何台かあります。「1公演だけだから、スペースが余ったのかな?」と思っていたら、公演パンフレットが開場と同時に売り切れたようです。

 日ごろの公演であれば、会場は開演の30分前ですが、今回は1時間前の会場でした。皆さん、グッズ購入も目論んでいたのですね。凄すぎ。。。(*_*)

前座、そして伯山さんの独演

 幕が上がると、落語でよく見る高座に釈机が置かれています。そこに、前座に二番弟子の神田青之丞さんの登場です。博多の地元話である「黒田武士」が演目でした。よく知っている話なので、分かりやすかったです。この方、講談を初めて1年数か月とか。聴いていても初々しい感じです。

 そして、今日の主役神田伯山さんの独演です。

 高座に上がると、まずはフリートークのように話を初めて、スマートフォンなどの電子機器のマナーについてエピソードを交えて笑いをとりました。なんでも、とある都市での公演で、観客のスマートウォッチが伯山さんの講話に反応してしゃべりだした話とか、かかってきた電話をスピーカーで通話して客席内に相手の声が響きわたった話とか、おもしろかったです。

 そして、タイムスケジュールはあるが、「必ず押してしまう(予定時間を過ぎてしまう)ので、そのつもりで。」との話があって、講談が始まりました。

 もうこの時には観客は伯山さんの話術に捉えられており、1幕目は大爆笑。あっという間、仲入り(休憩)になりました。

 そして、2幕目。客席の照明を少し落として、伯山さんが高座に座ると同時に講話が始まりました。歌舞伎役者のシリアスな話でした。なんの前触れもなく、いきなり始めても、神田伯山の世界に一気に引き込まれていきます。

 話が佳境に入ると神田伯山さんは、スポットライトを浴びて舞台上に浮き上がりました。この方のお顔の特徴もあってか、目元が影になり鬼気迫る雰囲気でした。そして、観客も「固唾をのむ」といった感じで聞き入っていることがわかります。人の気配ってすごいですね。

 神田伯山さんは、講談会で初めてカーテンコールされた講談師だそうです。その実力がわかるエピソードです。

博多座のお高いチケット

 実は、9月の初旬に飛騨高山を旅行した際、高山市の商店街に掲示された神田伯山さんの独演会の告知ポスターがありました。そこに掲載されているチケットは、A席が3,800円でした。博多座のA席は8,000円。2倍以上!!です。

 今回の講談はとてもクオリティが高く、満足です。なんの不満もありません。もしかしたら、演目数が違うのかもしれませんが。。。

 この差は、器(劇場)の違いなのでしょうか?神田伯山さん、安売りはしない方がいいです。

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