4月の博多座は「キングダム」です。なんでも、大人気コミックの初の舞台化とのこと。
そもそも、今までなら「キングダム」は、「私の守備範囲ではない」と観劇を普段なら観劇をスルーしていました。しかし、最近イケメンの若手俳優の活躍が著しいので、ちょっと観てみることにしました。
何の予備知識なく舞台を観ていたら、「なんか観たことあるな~」と。山崎賢人さんと吉沢亮さん主演の映画を観ていたことを思い出したのです。通常なら、ストーリーがわかっていると、舞台にのめりこむことが多いのですが、今回はそうはいきませんでした。
最悪の観劇環境
この演目では、普段になく若い人が多いのです。特に男性が目立ちました。この日は、楊端和役が乃木坂46の梅澤美波さんだったので、この方のお目当てではないかと思いました。
そして、私の席の前には背の高い男性3人が座っていたのです。申し訳ないのですが、舞台が見え難いことこの上ないのです。このストーリーは主たる役が死んだり、戦闘シーンで倒れたりして床面に近いところでの芝居が多いので、本当に残念でした。頭を左右に動かさないと何にも見えないのです。おそらく、私の後ろの人は私が再三頭を動かすので、それはそれで、見づらかっただろうと思います。
ダブルキャストが多いこの公演ですが、私が見たときの配役は以下のとおり。
残念な戦闘シーン
皆さんキラキラして、若く美しく、弾ける舞台でした。
でもね、私はちょっと不満でした。
前述のように、映画「キングダム」を見ているので、どうしても比較してしまいます
この日の主演の三浦宏規さんは、バレエダンサーだったとか。身体能力は高そうでしたが、殺陣は苦手なのでしょうか?とにかく、殺陣が上手くかみ合っていなかったのです。相手が切りこんでくる前に防御の姿勢をとってしまうことが再三あったのです。舞台ならではの生の殺陣の迫力を期待したのですが、これは興ざめでした。
また、「楊端和」は、山の民を率いる長で、殺陣のシーンがふんだんにあるのですが、女性だからか殺陣としては単調な振付と言わざるを得ません。ただ、梅澤美波さんは、振付としての殺陣はスピード感があり、アンサンブルの人たちとよく同調していてきれいでした。
別格の山口祐一郎さんと早乙女友貴さん
そんな中で怪演していたのが「王騎」役の山口祐一郎さんです。長身に映える甲冑姿でした。さすがです。アニメチックな発声で「怒らせたら手が付けられないほど怖いわよ」というキャラクターを演じていました。
ベテランの舞台俳優としての力量を感じました。前述のように、結構な時間を費やしている戦闘シーンが締まっていなかったので、間延びした退屈な舞台になってしまうのですが、この方が登場すると一瞬で空気が変わりました。もう、存在感は抜群です。山口祐一郎さんは、66歳になられるのですよね。すごいです。
また、早乙女友貴さんの殺陣は、本当きれいでした。お兄さんの早乙女太一さんの殺陣の腕前は有名ですが、この方もすごいです。ちょっとため息がでました。
助演クラスの役者の力量が高いと、舞台が締まります。
満員にならない舞台
この公演を観たのは、土曜日だったのですが、「満員御礼」ではありませんでした。HPのチケット販売状況をみると、毎日少しずつですが、残席があるようです。
博多座のチケット売り場では、当日券の半券を提示して来月の「SPY&FAMILY」を購入すると、15,000円のS席が、9500円になるとのことでした。今月と来月の演目のファン層は若い方のようです。この人たちを囲い込みたいのでしょうね。今まで禁じ手と思っていたチケット割引が、ここでも展開していました。
頑張れ、博多座!
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