横浜流星さんの「巌流島」を観てきた

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 今を時めく横浜流星さんを一目見たくて行ってきました。チケット購入の時のすったもんだはありましたが、公演初日のチケットを入手できました。

 横浜流星さんは、テレビドラマや映画の出演が多く、よく見てます。さわやかなイケメン俳優で、どんな役も全力投球といった印象です。

 この巌流島は東京から始まり、全国各地で上演して、博多座が最後です。横浜流星さんは宮本武蔵をどんな風に見せてくれるのか、楽しみでした。

横浜流星さんに興味を持ったわけ

 令和4年には、映画「流浪の月」という作品に出演していましたよね。この作品は2020年の本屋大賞を受賞していました。主演は広瀬すずさんと松坂桃李さん。横浜流星さんは恋人にDVを働くモラハラ男という役でした。

 私、この作品を見ました。テレビ番組の中で対談で、三浦友和さんが「僕だったら、君の年齢であの役を受ける勇気はなかった」と横浜流星さんに話していたくらい結構エグい役でした。この役で見せた横浜流星さんの役者の狂気みたいなものに、興味を持ったのです。

 ちょっと話はそれますが、この映画を観ていて、主演二人の思考に対し、私は「理解できない」、「納得がいかない」、「違和感がある」そんな気分でした。それが、クライマックスの一瞬の映像で「ああ、そうだったのか」ということを納得しました。物語の回収の仕方が凄いです。

巌流島

物語

 宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島で対決する本筋は変わりませんが、多くの人が知っている吉川英治の小説とは別物です。実際、パンフレットにも「新解釈、新設定で描き下ろし、武士の生き様を問う無骨の人間ドラマを描き出します」と書かれています。

 ちなみに、北九州市にある小倉城には、宮本武蔵と佐々木小次郎についての展示があり、現在までわかっている史実を解説しています。これから、小倉城は桜が満開になりますから、ゆかりの地を訪れてもいいですよ。

 で、物語が面白かったかと問われると、好みが分かれそうです。私は、「2回目はないな」と思いました。最も、チケットは完売状態で、入手できませんが。。。立ち見なら当日券があるそうです。

 主要キャストは新進気鋭、イケメンの若手俳優です。ただ観ているだけでもいい、とにかくきれいでした。

横浜流星さん

 ウィキペディアによると、身長は174cmとのことで、他の役者さんと大差ない背丈のはずなのですが、第1幕では小柄で華奢に見えるのです。ワイルドなメイク、黒っぽい衣装、モノトーンの舞台装置がマイナスに作用しているように、私には見えました。加えて、宮本武蔵という人間の大きさを表現する上で、低音のお腹に響くような発声、無駄な動きはしないという我慢の演技だったことも影響があったと思います。

 上演時間の3/4はこんな状態だったので、途中は「この宮本武蔵役は、横浜流星さんの魅力を封じてしまうのではないか?」と思ったほどです。

 しかし、クライマックスからは、その身体能力の高さで迫力ある殺陣が繰り広げられ、突然舞台姿が大きく感じました。どんなに動いても体幹が全くブレないのは流石です。私の感想は「横浜流星さんは、最後の殺陣まで通して宮本武蔵いう役を仕上げたんだな」です。ここら辺が彼の持ち味なのでしょうね。

 そして、佐々木小次郎と本格対決の途中では、刀を加えて片袖を脱ぐシーンがあります。スポットライトで鍛えられた筋肉に汗が輝いて、キラキラしているのが印象的です。

 ちなみに、第1幕とクライマックスは髷を結っていて、第2幕の途中まではざんばら髪です。両方とも精悍なお顔によく似合って、本当に素敵です。

中村隼人さん

 この方、歌舞伎役者さんですね。映像の世界でもご活躍のようですが、私は全く知りませんでした。

 ウキペディアによると177㎝ですが、もっと大きく見えます。舞台俳優としての基礎ができているのでしょうね。舞台を支配する力は圧倒的でした。佐々木小次郎が宮本武蔵を尊敬し、苦悩する役作りは共感できました。

 これから、歌舞伎を観る際に、注目する役者さんが増えました。

 ちなみに、佐々木小次郎と言えば、長刀を背負っているというふうに思っていたのですが、この舞台では脇差でした。なんでも、刀は背負うと恰好よく抜けないらしいです。まあ、佐々木小次郎が刀を背負っていたかは不明なので、舞台映えして恰好いい方がはうれしいですからね。

舞台

 液晶画面3枚が大道具で、このパネルに背景が映し出されます。クライマックスまでは、黒いバックに白いラインから様々な画像に変化するような演出で、ず〜っとモノトーンです。ときには鈴虫やセミ、草原を駆け抜ける風の音を画像に映し出され、音を視覚で捉えることができます。こんな演出を観るのは初めてなので、新鮮でした。

 こんな舞台装置なので、ポイントになる1場面を除いて暗転はありません。常に舞台上がほの明るい状態です。そのため、死体がむっくり起き上がって舞台袖に捌けていきます。まあ、生きている役者さんなんだから当然ですけど、今まで舞台裏のシーンは隠すことが当たり前と思っていたので、ちょっと違和感がありました。まあ、すべて観終わってみると、「こうしたかったのね」と、舞台装置の意図は私なりに解釈はできました。

 そして、クライマックスからパネルはカラーになり、舞台全体が明るくなります。ここからは主演クラスの若手俳優が舞台を縦横無尽に走り回って殺陣を繰り広げるので、「キャー、カッコいい」という感じでした。これを毎日2公演やるとしたら、相当体力を消耗しそうです。

 また、コロナ渦で一切見られなくなっていた客席降りが、この舞台ではあります。2月のスーパー歌舞伎「新・三国志」でも大部屋俳優さんが客席から上がってくる演出はありましたが、今回は横浜流星さんと中村隼人さんが客席に降りてきます。主演クラスの客席降りは本当に久しぶりで、少しずつ日常を取り戻していることを実感します。私は今回2階席だったので、「あ~あ」という感じで、1階席の方が羨ましかった。。。

博多座の客席でのマスク・飲食解禁事情

 マスク着用が「各自の判断」となって、初めての公演です。場内のアナウンスでは、「マスク着用を推奨します」に変更されていました。劇場内は、皆さんマスクをしています。皆さん様子見なのでしょうね。私は、上演が始まってからは外しました。

 また、客席での飲食が解禁されていました。でも、ロビーのお弁当類の販売ブースは増えていませんでした。今回の開演が11時30分で、幕間が昼食時間となるためか、お弁当は早々に品切れになっていたり、パン屋さんにはけっこう行列ができていました。終演は14時を過ぎますし、周辺のカフェはあっという間に満席になりますから、お腹のあんばいは工夫が必要かもしれません。

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