マリアは、今年の1月に虹の橋を渡った愛犬です。排泄編は前回お話ししましたので、今回は食事編です。
偏食
マリアは小さい頃から偏食が激しく、食べたくない時はプイっと顔を横にそむけます。ひどいときは、1週間近くフードを食べません。何か病気ではないだろうかと、何度もかかりつけの動物病院に駆け込みました。しかし、病気の様子はなく、獣医さんから「まだ若いから、根競べが必要ですよ。」と言われていました。チワワは頑固だといいますが、本当にそうでした。いつも私が先に根負けします。
確かに「動物はハンストをしても餓死することはない」とよく聞きます。マリアのハンスト?に対して負けない強さが必要だったと思います。でもね、飼い主としては、チワワのように小さく基礎体力がなさそうな犬がフードを食べないと、本当に心配になるんですよ。
フード選び
フード選びにはいろんな情報を集めて「食いつきがいい」と言われるものいろいろと試してみました。最終的にたどり着いたのがアドメイドの「モアソフト」です。モイストタイプで1袋の中に100gの小袋が5個入っていて、新鮮さが保てるこの包装は助かりました。自然食にこだわる人にとっては添加物が多い様にも思いますが、食べてくれるのなら何でもいいといった感じでした。
それでも、この「モアソフト」だけでは簡単には食べてくれず、その時々でサツマイモや手作りの鶏ささ身バーグ、スナップエンドウなどをトッピングしていました。
小さく砕かないと食べなくなる
若い頃はこのモアソフトを粒のままあげても、自分で噛んで食べていたのですが、老犬になってからは、手で小さくしないと食べられなくなりました。年齢を重ねるにつれ、1/2だったものが1/3 1/4と小さくしていきました。そして、もともと食に興味がない子なので、トッピングを工夫しても、とうとう食べなくなったのです。
獣医さんからも栄養補助食品を購入して食べさせてみましたが、いつものとおりプイっと横を向きますから、途方にくれました。
「わんちゅーる」の登場
今までいろんなフードを試してきたので万策尽きたと思っていた時に、いなば「わんちゅーる」の総合栄養食を見つけたのです。これを食べさせてみると、素直に食べてくれます。「よかった~」と思ったのもの束の間、なんと「わんちゅーる」は1本8カロリーしかないのです。マリアの必要栄養カロリーは156kcalでしたので、これを満たすには1日20本食べる必要があります。とても、マリアには無理でした。
そこで、今までの「モアソフト」をコーヒーミルで粉状に粉砕して「わんちゅーる」に混ぜることにしました。そうすると、何とか食べてくれますし、必要カロリーもなんとか摂れるようになりました。
食事介助
そうこうしているうちに、下半身のマヒが現れ、立って食べることができなくなったのです。
ここからは、人間が抱っこしてスプーンで口に運んであげるようにしました。
人間の赤ちゃんのようです。犬の生理的な体位からすると、誤嚥のリスクがありそうですが、案外上手に食べてくれました。
途中、車いすを購入したので、これに乗せて食べさせてみましたが、慣れない車いすを思うように操作できないことや緊張感で、上手くいきませんでした。
介護エプロン
で、抱っこして食べさせると、口元から首にかけてフードで汚れます。そこで、思いついたのが老人介護で使われる食事用エプロンです。手芸店で生地を購入して作ってあげました。この姿が、人間の介護老人のようでしたが、親バカです。とっても可愛かったんですよ。
でも、このエプロンは、いちいち食事ごとに洗わなければならないので、残念ながら介護をしてくれる母や姉に悪評で、次第に使われなくなりました。
最期まで
年齢を重ねて、病気は変形性脊椎症だけではなく、肝臓と腎臓の機能を示す検査データはどんどん悪きなっていきました。しかし、高齢で予備能力がないマリアに、積極的な治療ではなく対症療法を選択していただいた獣医さんに感謝しています。だんだん食事量が減って痩せていく中でも、好きなものを食べて、長生きしてくれたのだと思っています。