ナターシャ・グジーさんは、ウクライナの歌姫です。20年前に来日されており、ウクライナ侵攻による難民ではありません。ただ、子どもの頃、チェルノブイリ原発事故で被災しており、母国の惨状には、心を痛めて全国各地でチャリティコンサートを開催しています。
車でFMラジオを聞いているときに、私の街でもコンサートが開かれると聞いて、行ってみました。
ナターシャ・グジーさんの歌声
彼女の歌声は、透明なソプラノで、本当に心を洗われます。MCは、自らが行っているウクライナ支援について説明をするくらいで、現在のウクライナの状況に対し悲痛な訴えをすることはありません。
でも、アンコールで「鳥の歌」というウクライナの曲を聞き終わったときに、自分でも気づかず涙が出ていました。客席でも、涙をぬぐう人の姿がありました。
何か心を揺さぶられたとか、感動したとかそんな沸き起こる感情ではなく、「心に染み渡った」という感じでしょうか。「希望」というメッセージが伝わってきたのです。
コンサートの概要
このコンサートの名称は「CFU47『希望の大地』チャリティツアー」です。CFUとは「Charity For UKRAINE」で、47は日本の都道府県の数を示しているのだそうです。
コンサートは1部のみで、90分間でした。
ウクライナの民族衣装を身にまとい、髪には赤い髪飾りを着けていました。スポットライトを浴びた彼女の姿は清廉な美しさです。
伴奏は自らが演奏するバンドゥーラという楽器のみです。ステージ上には、バンドゥーラとマイクと椅子以外は何もありません。
バンドゥーラは、ウクライナの民族楽器で、弦鳴楽器です。この楽器がナターシャ・グジーさんの歌声を引き立てる音色で、コンサート会場を圧倒していました。
楽曲は以下のとおりです。
木の根 踊る娘 旅歌人(コブザーリ) いつも何度でも 防人の詩 秋桜(コスモス) わがキエフ 希望の灯 希望の大地
<アンコール>鳥の詩 ふるさと
ウクライナと日本と
演目最後の「希望の大地」はロシアから独立を果たしたばかりのウクライナに内戦が勃発した2014年に作られた曲だそうです。そして今、ロシアからの侵攻を受けている祖国への応援歌として歌っているとのことでした。
ヨーロッパは歴史的に列強諸国以外の国は、少なからず侵略を受けています。ウクライナも同様です。ヨーロッパ一広大で肥沃な土地を持ちながら、ヨーロッパでもっとも貧困な国の一つです。そして、今、現在、悲惨な戦争が繰り広げられているシーンを、目の当たりにすると、平和の尊さを感じます。
ヨーロッパは遠いですが、ミサイル発射の報道など、日本も近隣諸国のことを考えると、他人事とは思えません。
ウクライナ支援について
ナターシャ・グジーさんの歌声はYouTubeでも聞くことはできます。また、全国都道府県でのチャリティコンサートも、まだ半分以上を残しています。「CFU47」で検索をすると、スケジュールがわかります。
その他にも様々な支援方法があるようです。私は、募金をしてきました。
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