関西・四国美術館巡りツアーの最初に訪れたのは、鳴門市にある大塚国際美術館です。26か国、1000余点の名画の陶板複製画が展示されています。
この時は、「假屋崎省吾の世界展」も同時開催されていて、一緒に彼の作品を鑑賞することもできました。
美術館の概要
- 名称:大塚国際美術館
- 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
- 開館時間:9:30~17:00
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
ここは、入口が建物の地下4階に位置し、展示は地下3階から地上2階までです。建物は、地下3階から地下1回までは山中にあるため、見ることはできません。ツアーバスは、入口に横づけされましたので、入口がわかっただけです。帰り道に地上部分を見ることができました。
美術館のHPでは、以下のように説明されてます。
「大塚国際美術館」は、大塚グループが創立75周年記念事業として徳島県鳴門市に設立した日本最大級の常設展示スペース(延床面積29,412㎡)を有する「陶板名画美術館」です。
コンセプト|大塚国際美術館の特徴|大塚国際美術館 – 四国 ・ 徳島県の美術館 観光施設 – (o-museum.or.jp)
展示物の多さ
大塚グループは創業100年を超える老舗企業で、グループというだけあって企業の大きさがわかるすごい美術館でした。
展示しているのは、世界中の美術館が所有する西洋絵画など1000を超える作品を陶板に複製したものです。作品はオリジナル作品のサイズまで忠実に再現しています。
環境展示
そして、展示はその絵画単体だけではなく、環境展示と称して、例えば教会の内部の絵画を立体的に展示しています。
圧巻は入口近くのシスティーナ礼拝堂を模したシスティーナ・ホールです。ミケランジェロの力作「最後の審判」が地下3階と地下2階の吹き抜けた壁面に展示され、教会礼拝堂の高い天井を体感できます。
天井の曲線を陶板で作ることはかなり難しかったようです。
ここでは、さまざまなイベントが開催され、記憶に新しいのは昨年の紅白歌合戦で米津玄師さんの中継が行われていました。(私は見ていないので、分かりませんでしたが。。。)とても素敵な背景になったと思います。
ち密な複製と未来への役割
陶板への複製は、オリジナル絵画の凹凸までも細かく再現されています。そして、陶板であるので、紫外線による劣化を心配する必要もありません。このことについて、パンフレットやHPには以下のように書かれていました。
元来オリジナル作品は近年の環境汚染や地震、火災の退色劣化を免れないものですが、陶板名画は約2000年以上にわたってそのままの色と姿で残るので、これからの文化財の記録保存のあり方に大いに貢献するものです。
コンセプト|大塚国際美術館の特徴|大塚国際美術館 – 四国 ・ 徳島県の美術館 観光施設 – (o-museum.or.jp)
このことは、納得です。
その一つの例になりそうなのが、レオナルドダヴィンチの「最後の晩餐」です。修復前後の絵画が同じ部屋に向かい合わせで展示されていました。これは、どれだけ修復の際に絵画に手が加えられているのかわかる、おもしろい展示だと思いました。
中世やルネサンス期など教会に飾られた古い絵画は何度も修復を繰り返しているため、それらの絵画は修復者の作品だといわれることさえあります。
ちなみに、ダビンチが描いたキリストの口は開いていて、修復が繰り返された絵画では閉じられていたことがわかりました。
大塚国際美術館では、自社で陶板に複製するので、オリジナル絵画の所有者の許可を得ることができれば、これからもどんどん作品を増やすことが可能となり、その役割が期待されます。
おさらいと新たな発見
インフォメーションでは、音声ガイドが無料で貸し出されます。主要な作品には解説がつきますので、聞きながら鑑賞することができます。
今回、解説を聞きながらの鑑賞で、今まで美術館で観てきた作品を至近距離で鑑賞することで、おさらいというか、新たな発見がありました。
例えば、レオナルドダヴィンチの「モナリザ」はあまりに有名ですが、今回見てみると、「ありゃ、こんなに大きかったっけ?」と思いましたし、背景の枯れた河川と水をたたえた河川の構図を改めて確認することができました。
まとめ
展示は、大変な数です。すべてを丁寧に見るには結構な時間がかかります。今回4時間の鑑賞時間を取ってもらいましたが、最後は駆け足になりました。美術館では、時間に制約がある人用に1.5時間で回れるモデルコースをパンフレットに示しています。
また、音声ガイドは作品を理解するために役に立ちますが、聞きながらだと時間がかかります。でも、たくさん見たいし。。。ちょっとうまくコントロールする必要がありますね。
蛇足ながら、トイレに名画の陶板が埋め込まれています。ちょっとかわいいので、見てみてください。
世界中の西洋絵画の多くを一度に見ることができる大塚国際美術館はおすすめです。